闇の現在、黒の気配

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私は、友月未由。 今年から、私立傘陽学園に通うことになった。 九棚が進めてくれた、全寮制の学校。 きっとそれは………家にいたくないという私の気持ちを察してくれたのだろう。 長い入学式を終えて分けられたクラスに向かう私。 けれど、向かう途中でみんなの、知らない人の視線を感じる。 ――――あれ、友月家の人よね? ――――――お金持ちなら、もっと遠くに行けばいいのに………。 それは、私に対する言葉。 私はそれを気にしなかった。ただの一人言だと思った。 ――――当時の私にはわからなかった。 それが、
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