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今から1500年前、太古の時代。 人々がまだ神を信じ それらと交流していた時代。 そこには二人の娘がいた。 川の下流のそばにある村の、ある一軒家。 ワラや動物の皮で作られた屋根、木の板で作られたかべ。 そこには一人の青年がいた。 「私は今夜中に旅立つ。」 「分かっておるのか。お主は神によって選ばれた。その定めを変える事は容易ではないんぞ。」 翡翠の首飾りを幾重にもつけ、翡翠の耳飾りをし、髪には白樺のかんざし。 少し前に家に入ってきた村の村長は言った。 「道のりは遠い。準備はしっかりするんぞ。」 「大丈夫だオババ様。その神に選ばれたのなら、私は簡単にはしにません。」 その身体にはすっかり筋肉がつき、神の守護者の証である黒曜石の耳飾りをつけた青年 夜臣乃武(ヨルオミノタケル)はおのれの住む村からひとり旅立った。
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