私の仕事

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機内──── ビジネスクラスの席にゆったりとくつろぎながら、一人の小柄な青年が暇潰しに雑誌を読んでいた。 雑誌を読んでいると、ある記事が目に飛び込んでくる。 ───────────── 『あの少女は今』 今から、13年前の6月6日。 本郷財閥の一家が何者かに惨殺・強盗された事件が起きた。 本郷樹里(当時:5才)の誕生日パーティーの日、本郷家の名だたる親戚が集まっていた。 その日の夜中。 強盗が襲ってきたと思われるその時間帯、本郷家に泊まっていた親族や召し使い、本郷一家が惨殺され、金品を奪った模様。 だが、死体の中になぜか本郷樹里の死体がなかった。 状況から推測すると強盗一味に連れ去られたと思われる。 だが、身代金も何も要求されることはなかった。 何故、本郷樹里だけ殺さずに連れ去ったのか。 その理由は現在も不明だ。 本郷樹里と共に強盗一味を警察は今も追っているが、手がかりがまったく掴めていない。 この事件は、あと2年で時効を迎えるのだが…… ───────────── 「この事件、あと2年で時効なんですね…。本郷樹里ちゃん、今、どうしているのでしょうか?」 ふと横を見ると、一人のC・Aが覗き込んでいた。 C・Aは私と目を合わすと、はっとした表情をし、慌て離れた。 「す…すみません」 無理に身体を縮ませている姿に私は微笑んだ。 「いえ、いいですよ。……さぁ、どうでしょう? 今も生きていたら18になっているのでしょうけど…。でも、『死んでいる可能性が高い』と、この記事には書いてありますね」
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