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今更だが、この軍人は右足を引きずって歩いている。
怪我でもしているのだろうか。
椅子に座る際、顔の端を歪めた。
相当痛いんだろうな。
「これから、面接を始めたいと思う」
立っていろ、と。
一応、軽く会釈。
「面接と言っても、君を落としたりはしない」
表情も変えず、淡々と喋っていく。
「これからいくつかの質問をする。完結に答えてくれ」
黙って頷く。
「名前、年齢を」
「東雲和真、十七です」
「しの、のめ?」
男の表情が初めて変わった。
「何か?」
「いや、珍しい名前だと、思ってな」
確かに俺の名前は珍しい。
だが、それだけじゃない。
この男、あからさまに驚いた。
「十七とは随分と若いが、何故入隊を?」
話を逸らされた。
仕方がないが、質問には答えねばならない。
「死に場所を探しに来ました」
「死に場所、か」
男は目を閉じて、何かを考えている。
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