第一章

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一枚目には、 『新日本帝国、並びに新日本帝国軍は、訓練中及び、戦場でいかなる怪我、病、死を迎える事となろうと、一切の責任を負わない事とす』 至って普通のものだな。 俺はサインを書き、二枚目に目を通す。 『新日本帝国軍に所属する全ての者は、許可なく軍で教わった事、聞いた事、見た事を、他国の軍、一般人に話してはならない』 口止めか。 どうせ死ぬのだから意味はないな。 毒づきながらもサインをする。 「よろしい。君はこれから一年間、訓練兵として訓練校で過ごしてもらう」 一年か、少し長いが仕方ないな。 戦場に出るまでは死ねないし、真面目に訓練を受けるか。 「死ぬのは一年先になってしまうが、それまでは頑張ってくれ」 男が立ち上がった。 「東雲和真訓練兵、国の為、地球の為に頑張ってくれ!」 初めて男が叫んだ。 その覇気に押され、生まれて初めて敬礼をした。
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