序章

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男は顔を上げ、周りの者達に言った。 「これが私の最後の仕事となるだろう。さぁ、この事を政府に連絡するんだ。人類がまた、偉大な一歩を踏み出したと」 男の声を聞き、今まで固まっていた職員が動き始めた。 男の目には、中央にある巨大なモニターが映っていた。 そのモニターには、一枚の画像が出ている。 小さなクレーターの中心に小さな点。 その周りには、更に小さな点が七つ。 画像の直ぐ隣では、数分の動画が繰り返し流されていた。 画像と同じ位の点が、徐々にはっきりとしていく。 クレーターの中心にあった小さな点は、誰が見ようと【十字架】であった。 その十字架の周りにあったのは、黒い物体。 六つは四角い形をしているが、その内の一つは砕け散っていた。
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