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二〇二八年、一月三十日。
新日本帝国軍横浜基地に、俺はやって来た。
基地入り口の門の前には、ライフルを持った男が二人立っている。
軍の人間だけあって、かなり体を鍛えているみたいだ。
服の上からでも、がっしりとした体つきだと分かる。
俺が門に近づくと、門番の一人が道を塞いだ。
「何のようだ?」
見下したような、相手を威圧する声。
今まで様々な軍人を見てきたが、そのほとんどがこうなのだ。
そういう風に教えられたのだろうか。
「……帝国軍に入りたい」
それだけ言うと、もう一人の門番が無線機で会話を始めた。
「お前みたいな若いのが入隊希望なんてな」
俺を、同志か何かと勘違いしているのだろうか。
威圧する声は変わらないものの、見下した感じは消えた。
「そろそろ国のために戦おうかと、そう思っただけです」
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