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「最近イリーガルも増えてますしねぇ、妥当な判断だと思いますよ」
半裸のくせに案外まともなのがこの男、クロードの特徴である。
「あぁ、そうでしょ?」
本心はサボりたいだけではなかったのか、相模はそれに同調する。
「じゃ、南から反時計回りに回っていくから……あ、小雪とユウイちゃんも一緒に行こうか。留守番は櫻庭と君、ソアルちゃん、音羽君がいれば大丈夫でしょ?」
その問いかけに、クロードは疑問符を浮かべる。
「イリーガルが出た場合はどうします? 相模の旦那がいなきゃ浄化できないじゃないですか」
相模は溜め息をついて、クロードの目の前に自身の顔を寄せた。クロードは身を引きながらそれをかわす。
「あのねぇ、なんのために俺が転移魔法使えると思ってるの? イリーガルが出たら通信繋いで。よろしくね」
相模はそう呟くと、白いコートを羽織り、事務室を出た。
小雪とユウイは、その後に続いて事務室を出る。
「やっぱ俺、未だにあの人がわかんねーな……」
一人残されたクロードはそう呟いた。
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