―C.D.―

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 一方、住宅街にて鳥型のイリーガルを追うのは、赤い肩くらいまでの髪と黄緑色の瞳をした少女と、白髪に青い瞳をした、赤い髪の少女より年下に見えるが落ち着きを持った少女だった。 「止まりなさい! 止まりなさいってば! イリーガル!」  鳥型のイリーガルは少女達を一瞥すると嘲笑うかのように高度を上げる。  その足には五歳くらいの少女の腕が掴まれている。 「……ユウイさん、イリーガルに止まれと言っても無駄」  白髪の小柄な少女がそう言って飛び上がり、体長二メートルほどもある巨大な鳥の右翼を鉄の鉤爪で斬り落とす。  鳥はバランスを欠き、地面へ墜落しようとしていた。
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