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草原を撫でていた風が鳥に向かい集まっていく。
「【獲・風神(カク・フウジン)】!!」
低い唸る声とともに、八方から吹く風が網のようになり、鳥型イリーガルを捕獲する。これは【妖術】、と呼ばれる魔法の一種だ。
「チッ……あのサボり魔はまだかっ!!」
札を構え、風を操る男は、黒い忍装束を着ていて、右目と体全身を包帯で覆っているという奇妙な格好だった。
口調と声色を見ると、先程相模を怒鳴りつけていたのも彼だろう。
「あはは、そんなに怒らないでよ、櫻庭」
そう言って忍装束の男の肩を叩くのは、先程まで寝ていた白髪に蒼い瞳の男。
この男こそ、Le chasseur du dmon【本部】の部隊長、【相模 雪(さがみ ゆき)】である。
その表情は怒りという感情がないかのように、笑顔であり、温和な雰囲気を漂わせていた。
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