エト+イサ(+斎)

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「ねぇねぇ、エト君。君は紅茶をいれるのが得意なんだよね?」 突然、花を飛ばしながらやってきたそいつは、へらへら笑いながらそう言った。 「…誰から聞いた」 自分のことを必要以上に言い触らす趣味はない。紅茶のこともそうだ。 「ん?いっちゃんから聞いたよ」 「いっちゃん…?」 「いつき」 そんなやつ、いただろうか。 「…紫の髪で、右側でお団子にしてて…えーと、なんか企んでそうな顔してる…」 思い出した。 「情報屋か」 困った顔をするこいつを見れば、おそらく、ろくなことはしないんだろう。 とりあえず当初の話題に戻った。 「で、なんで俺を名指しした」 いやな予感しかしないが、一応聞いてみる。 「いっちゃんのきまぐれだよ。俺がお菓子を作って、君が紅茶をいれる。企画は斎。俺たちに拒否権はない」 あきらめたような、妙に慣れている様子を見れば、一度ならず前例があるようだ。 「…拒否れば?」 「トップシークレットの暴露」 最悪じゃないか。 「いっちゃんだから容赦しないと思うし…」 イサはどこか遠くを見ていた。 前回の被害者でも思い出したんだろうか。 「しかたないな…」 なるべくなら関わらない。関わりたくない、が。 「お菓子はおまえが作るんだろ?茶葉と合わないものを出されたら困る。今から時間はあるか?」 たまには、こういうのもいいかもしれない。 「――…おまえ、情報屋のなんなの」 「…きょうだい、兼、幼なじみ…」 「(苦労してんだな)」
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