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廊下を歩いていると、チェックのエプロンをつけたイサ(君を付けたら困った顔をされた)がどこかの教室に入るのが見えた。
(なにしたんだろ?)
彼が入ったと思う教室には、調理室という名がはられていた。
エプロンを付けていたから、たぶん何かを作ってるんだろう。
気になる。
でも、勝手に入っていいのかな?
そんなに深く考えていたわけではかったけど、突然開いた扉に驚いて思わず硬直した。
「あれ、翡翠くんだ。どうしたのこんなとこで」
にこにこと笑っている顔がちょっとびっくしりている。
あ、珍しい。
「え、イサがここに入るのが見えたから…。何か作ってるの?」
「そっかー。んー、じゃぁなかに入ってよ翡翠くん。いいものあげる」
悪戯っぽく笑うイサはちょっと珍しいと思う。今日は新発見ばっかりだ。
「じゃぁ、お邪魔します」
教室のなかに入ると、ふわりと甘い匂いがした。
「はいどうぞ」
席に座らされて、目の前に差し出されたのは緑色が交ざったケーキ。
「抹茶シフォンケーキ作ってみたんだ。抹茶黒蜜と、ミルククリームがあるからちょっと味見してみて?」
なんというコラボ!
いいタイミングでここに来た俺!
焼きたてのケーキにフォークを刺しながら、幸せなひとときを過ごしました。まる。(あれ、作文だ)
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