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その風景はずいぶん前のものだった。
小さな丘の公園、幼い頃よく遊んだ公園だ。
最もほとんどが妹の朝陽と梓でだが……。
だが、俺はそれで充分だった。
友達なんていらない………両眼の魔眼せいでいじめられ、俺はこの頃からそう思うようになっていた。
だけど家族は違った。
こんな俺に普通に接してくれている。
それだけでよかった……そう、それだけで………。
でもあの事件がすべてを変えた。
その日も朝陽と梓とで遊んでいた。
そこに子供がやって来た。
学校の同級生、俺をいつもいじめている連中だった。
そいつらは俺を見つけるや否や俺をいじめつきたのだ。
朝陽と梓は必死にそれを止めようとしたがいじめはエスカレートしていく。
ついには朝陽と梓をもいじめ始めたのだ。
俺のせいで泣く朝陽と梓………。
その瞬間、俺の中で何かが切れ、頭が真っ白になっていった。
意識を取り戻した俺が見たものはめちゃめちゃになった公園と血を流して倒れている朝陽と梓だった。
その後、病院に運ばれた朝陽と梓は一命を取り留めた。
しかし、朝陽の背中に梓は左腕に大きな傷を負うことになってしまった。
それからというもの俺は、朝陽と梓を避けるようになった。
また、魔眼が暴走しないように心に閉じこもることにしたのたった。
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