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三番会議室は、その名の通り会議に適した造りとなっており、広々としていた。
入室した森田とミカルを出迎えたのは、
「遅い」
ギラリと光る鋭い双眸と、煤色の背中の辺りまで伸びた長い髪が特徴的な、随分と威圧的で狷介そうな若い男だった。
部屋の中央に置かれた細長いテーブルの、一番奥に着いているその男こそが、ここに集まっている八人の男達の陰鬱の大元であり、この施設の支配者だ。
隊長と呼ばれ、勇者とも呼ばれるその男の本名を知る人物はこの施設内ではほんの一握り。他施設内では誰一人として、彼の本名を知る者はいない。
「ミカル第二班班長、只今到着しました」
「森田 第三班班長、只今到着しました」
勇者の逆鱗に触れる訳にはいかないので、即座に敬礼して席につく二人。
同僚達が同情の視線を送ってくるが、まあこれは何時もの事だ。
勇者は歩く天災やら生きる殲滅兵器だと、認識すれば安いものだ。
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