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「エリアD、北部八番地点にイリーガルの出現が確認された。イリーガルタイプはキラーグレイ、既に被害が確認されている」
皆が着席したと同時に、勇者は淡々と隊員達が憂鬱になる言葉を告げた。
「キラーグレイですか、数の確認は取れていますか? あいつは手ごわいですから、装備のほうも用意しないといけません」
中年の男が挙手して言うと、勇者は椅子から立ち上がって皆を見渡し、返答する。
「数は認識しているだけで八、予想では他に十体の同イリーガルが潜んでいると考えられる。今回は二班と三班が戦闘、他班がバックアップだ。装備は対イリーガル用八八軽装備。以上だ、さっさと出撃しろ」
それを聞いて頭を抱え、内心で絶叫したのはミカルと森田だ。
――絶対、遅れたことへの当てつけだ!
「さっさと行け」
勇者のまるで銃を構えているかのような、強烈な殺気を含んだ言葉に男達は、尻を叩かれたように部屋から急いで出て行った。
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