怪物の狂声と人間の恐声

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  「準備、完了しました!」 数分後、隊員達を見渡して、敬礼しながら報告した二班副班長。 ミカルは漸く精神状態が安定したようで、頷いて敬礼を返した。 「了解。各員、門前に整列して下さい」 ミカルの号令で、武装した第二班隊員達は駆け足で移動していく。 その動きは精練された無駄の無いそれで、彼らが日頃から訓練を欠かしていないことが見て分かった。 「――では、これよりイリーガル駆除作戦を開始しましょうか。我々、Le chasseur du dmonの、北方支部の威信にかけて必ずこの作戦を成功させましょう」 皆が整列した後、彼らの前方に立った吉良はにこやかな笑顔を浮かべて、拡声器を使って言った。その言葉は、彼らに取って非常に重い決意の言葉だった。 その理由を説明するには、この世界とこの施設、そしてイリーガルと呼ばれるモノについて語らなければならないだろう。
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