怪物の狂声と人間の恐声

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北方支部基地を発進したノアボックス四台で構成された駆除部隊は、ごごごっとエンジン音を高原に響かせながら進んでいく。 「……到着まで何時間かかるのかなぁ」 「さあ? 全予定は吉良さんが分かってるから、俺達は心配する必要はないと思うよ」 「そう……ねぇ。空城が言うならその通りかもね、うん、分かったわ」 荷台内で会話を交える空城と鋼ヶ崎。 他の班員は皆、床に腰を下ろし、ノアボックスの振動に身を委ねて舟を漕いでいた。 「……それにしても、みんな寝るの早いよね。さっき基地を出たばっかりなのに」 呆れているのか、感心しているのか、ふぅ、と溜め息を付く鋼ヶ崎。 彼女は今、その長いポニーテールをお団子状にして纏めていた。 「一種の職業的慣れなんじゃないかな?」 苦笑いを浮かべて答える空城。 鋼ヶ崎が、?と頭の上にまるでハテナマークを浮かべたような表情をすると、空城は表情を変えずに言葉を続ける。 「寝れば体力の温存が出来るからね。今回の作戦では強襲されるような事はないだろうから、下手に起きているよりかは寝ていたほうが良いんだろうね」 空城の説明に、ほぅほぅと頷く鋼ヶ崎。 「でも、戦闘服着てよく寝られるよね。この中、排熱効果で外よりか熱いのにさ。鈍感っていうか、感覚が鈍いのかしらねぇ」 素朴な言葉に、空城は困ったように笑うことしか出来なかった。
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