怪物の狂声と人間の恐声

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「じゃあ、行動開始してもらって構いませんよ。索敵をしつつ北上して下さい」 気の抜けるような、和やかな返事が返ってきたのでミカルの号令で前進を開始する第二班。その後ろに第三班が続く。 灰色の植物が鬱蒼と茂る草原を、ライフルを構えながら進んでいく隊員達。 額から下ろして、レンズ部分が両目の位置に来るように掛けられたゴーグルを通して周りを注視しながら歩いていく。 隊員達が皆付けているそのゴーグルは周りの魔力を感知する事が出来る代物で、魔力の強弱や方向を波のような映像にして脳内に情報を送る仕組みになっていた。 その映像を頼りに索敵し、イリーガルの強襲に充分に注意しながら彼らは草を掻き分けて、ざっくざっくと隊列を崩すこと無く進んでいく。
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