怪物の狂声と人間の恐声

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「……漸く俺の出番が来たようだな。お前ら、俺の魔法に巻き込まれないように、警戒態勢を解かずに後退しろ!」 最初に突撃したものの、ミカルの無言射撃によって後退していた森田が叫んだ。 後方で吉良の指示を示す号砲の、甲高い特殊な銃声が聞こえたからである。 ――やっと森田さんが出るのか……。 ライフルを撃ち続けながら空城は、内心で安心したように呟いた。 隣で射撃を続けている鋼ヶ崎も安堵したような表情になっているのを一瞬だけ見て、空城は森田の言葉通り、キラーグレイから視線を逸らさずに後退し始める。 ここまで射撃を続けさせたのは、キラーグレイの総数を把握するためなのだろう。 吉良は全て把握したからこそ、森田にバトンタッチをさせたのだ。空城はそんな事を思いつつ、ゴーグルの波を確認する。 自分が確認しただけで七体のキラーグレイがこの場には居るだろう。 しかし相手の動きは素早い上に、こんな状況では正確な情報を得ることは難しい。 空城が思わず苦笑いを浮かべたその時、後方で再び数回の号砲が轟いた。
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