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「それでは、朝倉さんがピアノを始めたのは何歳の頃からなのでしょう?」
それまで雑談に終始していたインタビューだったが、ついに本題に入った様だ。雑誌記者の武藤修一が私にそんな質問をする。
「そうですね、実ははっきりと覚えてはいないのですよ。物心が付いた頃にはすでにピアノを触っていましたので。ただ、親に聞いたところでは、二歳の頃にはすでに鍵盤を叩いていたそうです」
「二歳ですか」
武藤の隣に座る大島誠二がそんな感嘆の言葉と共にペンを動かす音が聞こえる。
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