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客席に誰一人いないなかでステージにいた
その道化師は口を開いた・・・
「実は今日お客様がたへの挨拶のためにここのステージに立たせていただきました」
「私がこのステージに立つのは今日が最後となります。」
・・・何処からか驚きの声が聞こえてくる
「思えば17年間私はこのステージに立ち、皆さまへ【笑い】【怒り】【感動】を提供してまいりました。」
「しかし先日思いもよらぬ事が起こりまして。この私、心を失ってしまいました」
「その思いもよらぬことですが、説明するのが
難しいので解りやすくいいますと、」
「私は積み木を積み上げることが好きだった。としましょう」
「しかしなんと積み上げていた積み木が音もなく数多の塵と化してしまいました」
「つまりは私の世界が崩れさってしまったのであります。」
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