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しばらくやってこなかったから油断してしまった。零無もようやく諦めたのかと思った俺が馬鹿であった。
「おはようございます、一始さん。」
頭を掻きながら外に出ると、ちょうど二目がでてきた。昨日の零無との戦いの疲れは既に残っていないようだ。外傷も殆どない。こいつの回復力も凄い物になってきたよな。
「さあて、ボロボロにしてあげるわ~。」
「こっちのセリフですわ。」
あ~ぁ、また始めるのかよ。まぁ、いつものように無視するから別にどうでもいいけど。
一時限目が終わる頃になって、ようやく二目は登校してきた。制服は着替えてきたのか特に何ともなかったが、腕や頭からはわずかながら血が流れている。
「一始さん、いつかあなたを解放してみせますわ。」
「あぁ、期待しないで待っているフリだけはしとくよ。」
解放してくれるのならば嬉しいが、二目には無理だろうな。
「二目ちゃんも頑張っているんだから、期待くらいはしてあげようよ。無理にしても。」
「努力は認めるべきだと思います。無理にしても。」
二目に呆れていると、いつの間にか糸目の男と、無表情の女が近付いてきていた。
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