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「うぅ、誰か一人くらい期待してくれてもいいじゃないですか……。」
「零無さんは無理でしょ。」
「あれは既に人間ではないですから。」
「人の母親人外言うな。」
この二人、男の方は蒼三三(そうさんぞう)、女の方は翠四方(みどりしほ)。家は離れているが、どちらも小さい時からの友人であり、零無に振り回される俺や、零無と殺し合いをする二目を、はたから生暖かく見守ってきてくれた心優しい人間である。
「自分の息子に欲情するなど理性を持つ人間の沙汰ではないです。」
「止めろ。否定出来くて悲しくなる。」
この、相手への気遣いなど微塵も感じない、きつい台詞を言ってきやがる優しさが、四方の特徴である。
「一始の為に一生懸命で良い人ではあるんだけどね。人としてはどうかと思うけど。」
三三はこんな時に話しをフォローしてくれる。してくれるのだが、一言余計であり、結局四方とあまり変わらない。
まぁ、否定したくとも出来ないし、ここまで言ってくれると逆に清々しくもあり、零無の事も理解してくれているので、付き合いやすい奴らではある。
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