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入ってきた奴の方を見てみると、そこにいたのはまさに今噂をしていた男、黒玄五星(こくろいっせい)であった。そして何故か指定の制服を着ておらず、工場とかで働く人が着ている作業着を着ていた。
「久しぶり。今度は何をやっていたの?」
「掃除機を作っていた。」
うん、今回もまったく意味がわからない。
「あの、なんで掃除機?」
「そう、あれは一週間程前の事だった……」
なんか語り始めたが、俺はまったく興味がなかったので、スルーして昨日夕飯の残りである肉じゃがを積めた弁当を片付ける事に専念した。
「ならば、自分で作ればいいのだ!」
弁当を食べ終えると、ちょうど五星のどうでもいい語りは終わったらしい。内容を簡単に纏めると、新しく買った掃除機に納得がいかなかったので、自分で作る事にしたんだと。周りの三人を見てみると、四方は俺と同じくスルーしていたようであり、三三は普通に聞いていて、二目は何故か涙を流して感動していた。感動する程の事なのだろうか?確かに十五分くらいかけて熱弁しといたけど。まぁ、二目の感受性が強すぎるだけか。
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