始まり始まり

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俺の家の風呂には鍵が三つついている。こうしないと零無が突入してくるのだ。今も扉の向こうで何とか開けられたいものかと悪戦苦闘しているし。 「この鍵も、そろそろ変えた方がいいな。」 鍵は定期的に新しい物に変えている。同じ物を長く使っていると突破口を見出だし、俺が油断した頃に突入してきやがる。 今だって、俺に悟らせないようにしてはいるが、二つ目までは既に開錠可能になっている。三個目を突破される前に交換しないと。 「一君、お風呂上がったわ!」 「下着姿で息子の寝室入ってくるな。」 寝ようとしていたのに騒がしい。俺は早寝早起き主義だから十時には寝たいというのに。 「一君。私、この日を待っていたわ。」 何か始めた。まぁ、スルーしておこう。 「さぁ、私の初めてをもらってちょうだい!」 「雰囲気作るつもりだろうが初めてだったら俺は誰の子供なんだよ!」 「うわーん!一君が息子じゃなかったら結婚できたのに~!なんで私が産んじゃったのよ~!」 なんで泣き出しているんだよ。そして息子に対する言葉じゃねえよ。 あー、本当にダメだこの人。早くなんとかしないと………。
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