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目が覚めると、ベッドの隣にロープでがんじがらめになっている零無がいた。あー、確か寝る前うるさかったから縛ったんだっけ?貞操も危ういし。
寝ていることを確認してからロープを自分で解けるように緩めてやり、支度をすませて軽い朝食を作る。出来上がる頃に、ちょうど零無は起きてきた。
「あぁ、一君が作ってくれた朝食………。いただきます。」
「いただきます。」
美味しそうに残さず食べてくれる。それ自体は素直に嬉しいが、食べ方がちょっとおかしい。まぁ、気にしてもしかたない事ではあるが。
「ごちそうさま。いってきます。」
「あ~ん、一君もういっちゃうの?」
「俺についてこようとしないでちゃんと仕事行けよ。」
そういえば、零無は何の仕事をしているのだろうか?何回か聞いたが、何故か一度も教えてくれた事はない。美人だし、ホステスとかそんな感じのをやっているのかもしれない。稼ぎも詳しくは教えてくれないがすごいし。
「一君、ちょっと待って。」
靴を履き、玄関を出ようとすると呼び止められた。振り向いてやると、ほっぺに柔らかい物が当たった。
「えへへ、いってらっしゃい。」
あー、やられた。
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