BAR 「スプラッシュ」に集う人々

6/20
前へ
/139ページ
次へ
今度は私が唸った。 「だいたいね、そんな男は、100万匹の子猫ちゃんに同じこと言えるんだから、本気にしてるあんたが馬鹿なのよ。習性なのよ、習性。介護だって本当のことかもしれないじゃない。騙されてないってことに気付きなさい!」 うう~~ん。 なお唸り続ける私。 どうなんだろう。 「おぐりん、あんたさっきから黙ってるけど、どうなの!」 「わかんないよ……私、ついていけないみたい」 と、私は両手をあげた。 「早く忘れなさい。あんたがそうやってじめじめ引きずってたって、なんの意味も効果もないのよ。あちらは、変わらず夫婦でラブラブカッフェを営業してるんだから」 「風ちゃん……今『ッ』入れた?ちっちゃい『ッ』入れたでしょ……ひどい!たまらない悪意を感じた!あんたなんか友達じゃない!!あたし帰る!!」 まどかは激怒して立ち上がった。 なぜか、『ッ』が地雷であった。
/139ページ

最初のコメントを投稿しよう!

304人が本棚に入れています
本棚に追加