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自治と自由を校風とする市立A高校。
と言えば聞こえはいいが実際は自由にかこつけて浮わついた空気の抜けないお気楽高校なのが実態だった。昔は進学校だったらしいが今は見る影もなく偏差値は50代半ば。
有名大学への推薦枠だけがその名残になっている。
賑やかな雰囲気で部活動も盛んなこの学校には1つ、要注意な部がある。
そんな部に私、岡崎 由希は所属していたりする。
本館三階の隅のほうにある社会準備室。
そこはその要注意部が部室として使用している教室だ。
狭い室内に並べられたアンプやキーボード。
ここはA校軽音部の部室。在籍人数約60人。
その内の30人以上が2年生というなんともアンバランスな人数比だが、当初に比べたらまだ減った方だというから驚きの人数だと思う。
(ちなみに初めは40人近かった)
彼らの中には最近人気のアニメ、けいおん!に憧れて入ったのも居たのだろうが残念ながら現実は二次元とは違うのです。
三次元≠二次元。
大事な事だから二回言いました。
そのギャップに絶望した者も少なくはないだろう。
そんな大所帯の部活が何故、場所をとる大量の機材や部員の人数の割りに狭い準備室なんかに押し込められているかというと、ひとえに教師陣からの評判の悪さに起因する。
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