推理小説家 仁の事件簿その1 ~謎の凶器~ -解-

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「近くの書店で聞きました。店員が長谷川の顔を覚えていましたよ。 長谷川は、その書店で原稿用紙を買った。しかし、原稿用紙には拭き取られていた痕があった。 それは何故か?それが凶器の謎に移るんです。」 「まさか…その原稿用紙で殺したと言うんじゃないだろうな?それは現実的じゃないぞ。」 「えぇ、そのままなら、殺すのは難しいでしょう。しかし、原稿用紙を鈍器の様な物に何枚か包めば…その物はルミノール反応はしない筈。 そして、指紋を拭き取れば、原稿用紙はただ、西岡が倒れた衝撃で散らばったことと解釈される。 しかし、間違えだったのは、買った原稿用紙に指紋を拭き取る事でした。 いずれ、原稿用紙を買った人を調べられ長谷川とわかる筈なのに、指紋が拭き取られていた。長谷川は疑われることを考えずに指紋を消したことからも突発的に西岡さんを殺したと考えれます。 普通に違う凶器を使い、それを隠すなら指紋を拭き取らなくてすむ筈ですからね。 これが凶器の謎の真相です。」 白石は凶器の謎について説明した。
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