推理小説家 仁の事件簿その1 ~謎の凶器~ -解-

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私は、一ヶ月前に起きた事件を漸く纏めれていた。 思い返すと私の推理には穴がまだあることに気がついた。 その穴とは…嫌、言わないでいこう。 事件は解決した。 納得はしなくても終ったこと。小説の中では、納得が行かなければ、事件は解決しない。しかし、現実はそうではない。 辻褄が合えば、事件は解決する。小説みたいに、論理的に説明もしなくていい。 現実は小説みたいに甘くは無いが、小説みたいに難しくも無い。 今回は突発的だったので犯人が残した穴が大きかった。しかし、毎回犯人が大きい穴を残すとは限らない。 一番いいのは、私が行く先々に犯罪が起きなければいいのだか、それは今回の事件を解いたからには無理だろう。 なぜなら、探偵に事件は付き物だから。 ましてや推理作家に、事件は必要不可欠なのだから…。 推理小説家 仁の事件簿その1 ~謎の凶器~ End
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