プロローグ 巻き込まれ癖のある主人公よ。大志を抱け。

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誰もいない静かな教室。 夕方の太陽。 それを、反射する黒板。傷ついた床。 そして、一人。俺。 溜め息をつく。 目の前のパンフレットへの溜め息と、奴への溜め息。 まあ、後者は、どうにもならないので、置いておくとして。 部活動紹介パンフレットが俺の、テンションを低くしていた。 「自宅警備員育成部について。」 必要あるのか。これ。 さらに、次のページ。 「自宅警備員育成部は、普段閉鎖的な空間で、地球を守るために、戦っています。」 いません。全く戦ってなど、いません。俺は、超能力者では、ありません。 「自宅警備員の歴史。 最初の自宅警備員は、古代ローマにさかのぼり」 俺は、読む手を止めた。 何が、伝えたいのか、全く分からん。 発狂しそうだわ。 第一、紙が、もったいない。古紙回収で、トイレットペーパーにした方が682倍位有益だろう。 「はあ。」 俺は、また、溜め息をついた。 よし、このパンフレットを、跡形なく燃やそう。 俺は、焼却炉にむかって、歩き出した。 「それから、彼を見た者は、いない。(パンフレットあとがきより。)」 生きて帰れる事を、願った。
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