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「よーし、お開きだ」
南条警部補は手をたたき
「島山くん、一応ケーサツまで来てくれる?
軽~く、取調べしちゃうからさ」
とウインク。
「はい。苦労かけます」
島山が両手を差し出すと、その手を制し
「いいよー。手錠なんてー、もう、他人じゃないんだから」
「おもいっきり他人だって。意味わからん」
ツッコミ気品刑事。
さらに南条は
「外には、野次馬が、押し寄せてるんだしさあ。これから友達同士で、ピンサロ行く雰囲気で出てこうよ」
「ピンサロって、どーゆー雰囲気だよ」
再度気品刑事。
「さ、さ、もう、泣き止んで。行くぞ」
南条は、玄関のドアを開けた。
「はい、もう大丈夫です」
島山は、はにかみ、笑みを浮かべた。
彼らが連れだってアパートからでると、思った通り、数十人の野次馬と、報道陣が殺到していた。
捜査員と殺人犯は、そのなかを、ピンサロに行くような雰囲気で、かきわけ、パトカーに近付いた。
南条がパトカーに乗り込もうとする時、
「島山君、パト、運転してみる?」
と振った。
「いやー、僕、殺人犯ですよ」
と頭をかく島山。
「嘘嘘。よし、みんなあ、行くぞー、ピンサロー」
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