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未だ意識を失っている『彼女』を、寝室へと運ぶ。
『彼女』は本当に何者なのだろうか…?
そんな『彼女』を、家に連れ込み介抱しているが…
何故だろう…
前にも逢った事があるような…?
そんな気がしてならないのだ。…デジャヴ…?
今日一日起こった事で頭がパニックになっているのだろう…
どんなに考えても、整理つけようとも、今自分がしなくちゃいけないことが、考えつかない。
突然空から降ってきて…
目の前で意識を失っていて…
しかも『ほっとけない』という気持ちから、家にまで連れ込んで…
多分大丈夫…
『彼女』が目を覚ましても、私達家族に危害を加える事はしないだろう…
そのまえに、…言葉は通じるのか…?
そう考えてる内にまたパニックになる…
そんな中、廊下の奥から足音が近付いてくる。
勢いよく襖を開けたのは、おばあちゃんだった。おばあちゃんは、驚いた顔をして、意識を失っている『彼女』を見つめる。
こんなおばあちゃんの顔は今迄見た事がない…
普段から無表情で、感情を表に出さないからだ。
おばあちゃんはゆっくりと、『彼女』の寝ている横に、座った。
そして、下を見ながら、誰とも目を合わせる事なく、おばあちゃんは言った…
『…………アスカ様…………』
アスカ様…?
おばあちゃんは深い溜め息を付き、ゆっくりと立上がり、部屋から出る際私にこう言った。
『………後で私の部屋に来なさい…。大事な話がある…………』
そう言い残し、静かに襖を閉め部屋を後にした。
一体なんだと言うのだ?
私は一旦自室に戻り着替えてから、おばあちゃんの部屋へ向かった。
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