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――それは団欒。
「食え」
そこは学内のバルドに与えられた部屋。教師として扱われている彼に与えられた研究室。ミルフィに魔法を教え初めて１ヶ月が経ち、やっと彼女は空を飛べるようになった。バルドは弟子の成長ぶりを褒めてやるのも癪なので、代わりに食事に招待した。
「…………先輩」
「何だ？いい肉だろ？普段よりも奮発してやったからありがたく食べろ」
「……はい」
ミルフィはバルドが勧める肉を頬張る。お世辞にもいい肉とは言えない干肉。それは固くてミルフィは噛みきれないでいる。仕方ないのでリスのように口に頬張り、高速で口を動かした。
「美味いか？」
器用にナイフで小さく切り裂いて頬張りながら食べるバルドは、どこか自慢げで普段見せない微笑みまで見せている。
「先輩はいつもこんな食事なんですか？」
「あん？今日は奮発した肉だぞ？普段はもっと安い肉にパンくらいだ。水は俺が開発した魔法で作った極上物だぞ。無料だけどな」
「もう我慢できません！ご馳走になって申し訳ないのですが我慢できません！」
「肉のおかわりか？卑しい奴だな。仕方ない。欲しいならまだストックがあるから」
「ひぃぃ！何故今日はそんなに優しいんですか！？普段は平気で蹴飛ばすのに！」
妙に優しいバルドに、ミルフィは混乱しながらも恐怖した。
「よし！今日から先輩の食事は私が作ります！拒否はさせません！」
「いや待てこら」
そんな声も聞こえないかのように、ミルフィは腕を捲りキッチンへと向かった。
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