平穏

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横から腕がすぅーっと伸びて プリンが持っていかれる…のを俺は見逃さない 「タツマ…これは俺の。お前の分はあるだろ」 「ボク2個食べたいー」 「ダメ…ねだれば何でもくれると思っちゃダメだぞ」 「海は大人気ないよなー。プリンぐらい黙ってあげれば良いのに」 「ユウリ…そう言うならお前のあげればいいじゃん」 「海が一番、年長なんだからあげればいいだろ? 私のはダメだ」 「いいじゃん!いいじゃんー!」 タツマは スプーンでテーブルを カチンカチンと叩きながら言う 要は食べれれば、誰のでもいいって事だろ 子供は無邪気でいい…。 「僕のあげるよタツマ」 横でそんなやり取りを見ていたハルキ 「ありがとうハル兄ちゃん!」 タツマは屈託のない笑顔で、プリンを受け取ると美味しそうに食べ始める 「ハルキが一番大人だよな」 と言いユウリは安全が確保されると 自分のプリンを食べ始める 「ハルキ、本当にいいの? 俺のあげよっか?」 「ううん、僕はいいんだよ。タツマは育ち盛りだからね」 「ハル兄ちゃんがいらないんなら、カイの僕が食べるー」 「いいとこどりかよ!」 笑い所が良く分かっていないタツマをのぞいて 食卓に笑い声が響いた
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