ゼロ

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あれから絶望の夜を幾つ超えてきただろう 夏の夜に人気のない道路を虚ろな目をして、歩く青年が一人 足取りは重く視界が定まっておらず、体を左右にフラフラさせながら歩いていた 切れかけの街灯の電球が、チカチカと点灯と点滅を繰り返している 暗い海を思わせる頭上の雲から、青年の頬に一粒の雨がこぼれ落ちる ポツリ、ポツリと路上のアスファルトを雨が染めていく 青年は頭上を見上げて、自嘲気味に笑って呟く 「ハハッ…ダラスってだけでこの扱いか」 激しくなる雨の勢いの中で、今の自分の状況を、客観的に見て笑うしか無かった
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