日常から…

3/3
前へ
/23ページ
次へ
四時限目の授業が終わり生徒達が昼食を食べ始める。 「なぁ、ニュース見たか?」 彼に友人が食事をしながら話しかける。 「ニュースってゾンビの話?」 「そうそう、あいつらに襲われて死んだ人はあいつらの仲間になっちまうんだってな。」 「そうだな。」 「その上世界に拡がり始めてるって話だろ。」 「大陸だけに拡がるんじゃないのか?」 「は?世界に拡がるんじゃないの?」 「ニュースじゃぁ大陸に拡がるって聞いたけど…」 「そうか、聞き間違えたかな。」 「だろうな。世界に拡がって欲しくないよあんなの。」 その時自衛隊基地から甲子園の試合開始の音とよく似た音が響く。 「なんだ?」 友人が怪訝そうな顔で基地の方を見る。 それと同時に校内放送が流れる。 [病院の死体が動き出したそうです、皆さん速やかに学校から出て避難してください!] 教室が、学校が沈黙する。 「マジかよ…」 友人が驚愕の顔で呟く。 浩志の方は驚きこそはあるが落ち着いている。 とたんに学校全体がパニック状態に陥る。 逃げようと教室を出る者、状況がのみ込めず右往左往する者 「おい、俺らも逃げるぞ!」 友人が浩志に促す。 「無理だろ」 いきなり否定され戸惑う友人 浩志は続ける 「廊下はパニクったのでいっぱい、その中を進もうとすれば危ない目に会う。」 「危ないって、ここにいる方が危ないだろ! 奴等に食われるかもしれないんだぞ!!」 「あの人混みの中で踏み潰されて死にたいか? あん中で転んだら全員に踏み潰されて死ぬぞ。」 「なっ…」 「だから落ち着くのを待つ。 ゾンビは速く動けないらしいしな。」 「……わかった。」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加