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――道――
歩きながら帰ろうとする刹那とアジタート。
そんな最中、ひとりの男から声をかけられた。
「……」
「ん?」
何か言われた刹那は男の方を見た。
男の隣には一人の綺麗で瀟洒(しょうしゃ)な少女がいた。
「バギーを、与えましょうかと、言いましたよ?」
「……」
何故この男が赤の他人である刹那にバギーを渡すのか、理解に苦しんだ。
「いつしか、与えますよ。不十分は、お嫌いですからね」
そう告げると、男は去っていった。
少女も、男について行った。
「刹那、どうした?」
彼らの背を見て立ちつくす刹那にアジタートが声をかけた。
恐らく、あの二人には気づいてはいない。
「何でもない」
刹那はそう告げて、足を動かした。
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