第三幕―新米ブリルランテ―

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「な、何をしやがる!!」 「こいつ呼ばわりとは何事か!」 「うるせぇ!」 「貴様の方が耳障りだ! 自粛しろ自粛!」 「ははは。仲良いな」 「「どこがだ!」」 同タイミングで話す刹那とアジタート。 それによりさらに颯斗が笑う。 「じゃあ、俺講義だから。留年してても頑張りなよ」 「よけいなお世話だ!」 笑いながら立ち去る颯斗。 しかし隣の女性はアジタートを睨みつけていた。 「……」 「……」 しばらくの沈黙。 声をかけようか悩む刹那。 その沈黙を破ったのは颯斗だった。 「豊子(ほうこ)。行くよ」 「あ、はい!」 慌てながら立ち去る女性、豊子。 だが彼女の鋭い視線は未だにアジタートに向けていた。
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