第三幕―新米ブリルランテ―

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「アァ? なんだぁ、てめぇは?」 睨まれても動じないアジタートと少年。 その最中、ひとりの高校生がゆっくりと倒れ込む。 「お、おい、どうした?」 倒れ込む仲間を心配していたら、ひとりの女性に目が行った。 女性はスーパーの袋を持っており、殴るような構えをしている。 「てめぇ……、こいつを殴ったのか?」 女性は袋を下ろし、告げた。 「そうよ」 余りにも涼しげな口調で答えたためか、高校生等は殴りかかろうとする。 だが女性は怯まなかった。 それどころか彼等を合気道の師範のように受け流している。 高校生等は転げながら立ち上がっても、女性の美しいフォームによる受け流しに痺れを切らしたのか、公園から逃げていった。 「覚えとけよ!」 そんな負け犬の遠吠えのようなセリフを吐き捨てて去っていった。
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