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「か……母さあぁぁん!」
泣きながら女性にしがみつく少年。
それを眺めるアジタート。
「ふふ。怖かった?」
「うん……うん……!」
「……」
アジタートはそんな二人を眺めていた。
「あ、すみません」
その中、刹那が割り込んだ。
泣く少年をあやす女性。
「助けて頂き、ありがとうございます。こいつ、義理の妹なので予想できない行動をよく取るんですよ」
「な! 貴様……!」
アジタートはそう言おうとしたが、刹那が彼女の頭をつかみ、下に下げて発言を抑えた。
「ふふ。お互い、大変ですね」
女性は笑って返した。
穏やかな性格なのだろう。
口調がゆっくりだ。
「そうですね。っと、では俺はここで」
刹那は公園の時計を見た後、アジタートの手を掴んでさっさと公園から立ち去る。
「仲が良いのね」
女性はにっこりなのだが、近くの少年はアジタートを眺めていた。
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