神殺しあらわる

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「沖田!沖田ぁ!窓の外ばかり見てないで、授業に集中しろ」 言われなくても、そんなこと分かってる。 そう思っていても、 「すいません、少しぼーっとしてました」 と、笑顔で返してしまう自分がいる。 「そうか。次から、気をつけなさい。じゃあ、この問題は・・・ちょうどいい、沖田!」 何がちょうどいいのか、知らないが多分よそ見していた罰なのだろう。 沖田は、椅子と机のある所から離れて、クラスの連中が見る黒板というステージに立った。 黒板には、見慣れないアルファベットと数字が並んでいた。 数学は得意であったが、さすがによそ見していたので、少し手こずった。 合っているかの不安を残しながらも、手についたチョークの白い粉を落として、フゥと息を吐き椅子に腰を下ろした。 正解していたそうだが、よそ見していたことを幾度となく注意され、その日の授業は終えた。
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