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青天学園、かなり有名で遠くから入学してくるものも少なくない。
魔法の教育にかなり力を入れており、
学年は「下級生」「中級生」「上級生」「最上級生」の四つ。
最上級生はかなりハードルが高く、十年いてもなれず、やめてしまった、何て話はザラ。
ちなみに年齢は関係なく入れるので、筆記試験なんかも含めて有り得ない才能を持っていれば幼稚園児と大学生が同じ教室にいる、なんて事も三年ほど前にあったらしい。
今年は学園のレベルをあげるために入園試験は物凄く難しかったらしい。クラスは一クラスしかないが実力は既に中級生と並ぶか、或いは上級生より上の者だっている。
「暇だな…」
「うん」
下級生の二人が並んで歩く。しかし、目線が全く違う。片方は二メートルくらいある男、片方は足首辺りまである銀髪で、身長は140あるかないかだ。
さらに驚いたことに、この二人はどちらも17歳である。
「もうこんな時間か…あ~あ、帰ってからどうすっかな」
「ボルグが宿題忘れるから」
「それ言うなって」
長身で赤茶色の髪の男はボルグと呼ばれた。白髪…もとい銀髪のほうはマニス。二人とも、その容姿を含めて下級生のなかでは結構目立つ存在だった。
「よう、居残り?」
後ろからの声に振り返るボルグ。マニスは立ち止まるだけで振り向かなかった。
その男は、ある意味二人を越えていた。赤い髪は前髪がはね、目の下辺りまである額の十字傷、何より背負っているゴツい大砲。
戦闘の実技も授業で有るため、武器を使うものは持ってくる。刀をさして歩いていたり、斧を持っていたりする者もいる。しかし大砲を持っているのは彼、スムゥだけ。
「お前もか?」
「いや、寝てたんだよ。この季節は眠くなるからな。」
入園してから一ヶ月、クラスの面子もわかってきたが、彼の思考回路は理解できない。
なにしろスムゥは入園式のとき、立ったまま寝ていたのだから。
まあ、他にも理解できない思考の持ち主はたくさんいたが。
彼より無茶苦茶な者も何人か居たな、ボルグはそう思いながらマニスに目線を移した。マニスは相変わらず焦点の合っていない目をぼんやりと斜め上に向けている。端から見ると生きているか不安になるほどだ。
なれた自分にとっては大したことではないが、スムゥは不思議そうな顔でマニスを見ていた。
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