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きょうの試合は、優勝を左右する、大事な大一番であった。
我、グリーンティーズ対ヘッペターズの一戦は五回を終わって0対0と緊迫していた。
そして、六回表。
グリーンティーズの攻撃もツーアウト。
バッター俺。
ここから、なんか、おかしくなっちゃったのである。
ヘッペターズの投手が、カウント、ワンエンドワンから第三球目を投げた。
カーブだ。
ストライクであろう。
しかし俺は振らなかった。
すると
「タラタライクイクいくらちゃん!」
審判はそう言って右手を上げた。
「え、何それ」
俺は審判に目をやった。
「ストライクだろ。今の」
ヘッペターズのキャッチャーも振り向いた。
「いや、タラタライクイクいくらちゃんだ」
審判も譲らない。
「訳解んないこと言うな」
俺は少し、腹が立って来た。
「ストライクかボールかを答えて欲しい」
キャッチャーは立ち上がった。
彼は結構冷静だ。
「今のはいくらちゃんだ」
なんとも頑固なアンパイアである。
俺はキレそうだ。
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