みんな大事な試合

2/8
前へ
/8ページ
次へ
きょうの試合は、優勝を左右する、大事な大一番であった。 我、グリーンティーズ対ヘッペターズの一戦は五回を終わって0対0と緊迫していた。 そして、六回表。 グリーンティーズの攻撃もツーアウト。 バッター俺。 ここから、なんか、おかしくなっちゃったのである。 ヘッペターズの投手が、カウント、ワンエンドワンから第三球目を投げた。 カーブだ。 ストライクであろう。 しかし俺は振らなかった。 すると 「タラタライクイクいくらちゃん!」 審判はそう言って右手を上げた。 「え、何それ」 俺は審判に目をやった。 「ストライクだろ。今の」 ヘッペターズのキャッチャーも振り向いた。 「いや、タラタライクイクいくらちゃんだ」 審判も譲らない。 「訳解んないこと言うな」 俺は少し、腹が立って来た。 「ストライクかボールかを答えて欲しい」 キャッチャーは立ち上がった。 彼は結構冷静だ。 「今のはいくらちゃんだ」 なんとも頑固なアンパイアである。 俺はキレそうだ。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加