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「そんな訳わからないこと言って、アンパイアーが務まるか!」
俺が怒鳴ると審判野郎は
「グランドでは私がノートブックだ」
「それ言うならルールブックでしょ」
キャッチャーが呆れてツッコミを入れた。
「時間の無駄だ。はい、プレイ」
と言う審判に
「これではカウントが解らんではないか」
俺が、ぶっきらぼうに呟くと奴は
「カウント、ツーワンね」
と手を前に出した。
(なんだょ、それでは今のは、やっぱりストライクなんじゃねーかよ)
と思った。
投手が四球目を投げる。
これは、外れすぎ。
一目でボールと解る。
「ボリボリボーリン、ピロロ~ンぱ。カウントツーツーね」
ボールのことなのだろうが、まー、さっきよりは解り易いので、俺は相手しなかったが、キャッチャーはまた振り向いて
「ちょっと、真面目にお願いしますよ」
なんてぼやいていた。
五球目。
これもボールだ。
「バカボン、ボーン」
段々、解り易くなってきた。
しかし、バカボンて。
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