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短い黒髪、少しやけた肌、身長はそんなに大きくもない。
愛菜(アイナ)は足をぷらぷらとし、縁側でただぼーっとしていた。
家には庭がない…というよりも、すぐ森があるので、境目がわからないでいた。
耳をすまさなくても蝉や鳥の声が聞こえる。
愛菜はこういった自然を感じることがたまらなく好きだった。
乾いた風が愛菜の頬を掠める。
今は夏の夕時。
あぁもうそろそろ結花(ユカ)が帰ってくるだろーなぁとか思いながらもそこから動けずにいた。
カタッ。
「愛菜、またここにいたんですね。」
黒い髪はセミロング。優しい瞳が愛菜を見つめる。
「お帰り結花っ。」
「ただいまです。」
笑いかけると微笑み返してくれる。
「もうそろそろ夕飯の準備をしたいので手伝ってくださいませんか?」
「了解!」
返事を聞くと結花はありがとうございます、といって廊下を歩いていった。
愛菜もよっこらせと呟きながら重たい腰を上げた。
この家は二人しか住んでいない。
住んでいる、というよりも゙捨てられだのだが。
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