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「そろそろ授業始まんな」
泉の一声と同時に先生も来て授業開始。
その後も休憩時間のたんびに倉橋の席の周りはスゲー人だかりだった。
「倉橋さん!一緒にご飯食べよー」
『あー…ごめん。先約』
「そっかー、じゃあまた今度一緒に食べよーね!」
昼休みだけはどこか1人で行ってしまった倉橋。
別にどこに行こうがオレには関係ねーけど気になるモンは気になんのが人間ってヤツだから、オレはどこに行ったかもわかんない倉橋のあとを追いかけてみることにした。
「どこ行くんだよ?」
「ん?便所」
そうやって誤魔化してはみたもののやっぱ倉橋の行く場所なんか全然わかんねーっつーのがオチ。
だけどオレはアイツなら何となく見つけられる気がしてたんだ。オレとアイツはどっか似てっからきっとこんな時行く場所も同じだ…そう感じた。
「…屋上…かな」
階段を上ってって最上階、重たいドアを押すとちょうど一直線の位置に長い茶色の髪を風に靡かせた倉橋がいた。
「おいーっす!」
『!』
驚いたように振り返るお前。
でもすぐに溜め息を吐きながら顔にかかる髪を耳へとかける。
『何か用?やっと人から逃げれたと思ったのに』
「アイツらと一緒にすんなよ。別にお前の邪魔しに来たわけじゃねぇし」
『…………なんかさ』
「!」
倉橋も何か感じたのかな?
突き放すような喋り方から少し丸くなったようなそんな喋り方に変わった。
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