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―同時刻―
「レン!やっぱりここにいたぁ」
下から聞こえてきた可愛らしい声に、
レンと呼ばれた茶髪の短い毛を風になびかせていた、十七、八の好青年が振り向く
下からは頬を膨らませて怒っている、金に近い茶髪の二つくくりの女の子が立っていた
外見はレンよりも年下の十二歳
彼がいるのは木の上
「何?」
登れないと言ってこの間泣いていたのを思い出し、挑発的に鼻で笑った
「村長がお話有るんだって」
ぴょんぴょん跳ねては、自分よりも高い場所にある枝に手を届けようと頑張っているが、触れずに地面に足が着く
「サリファ、あと五年だな」
もう一度鼻で笑っては、下りようと足を枝に引っかける
「っ!」
不意に背中に感じた事の無い悪寒が全身を駆け巡る
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