8人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここはミラハの村か?」
突如現れた少女
全身は茶色のコートで覆われていた
(この時期にコート?)
この街での気候はどちらかと言えば真夏
昼間は裕に三十度を越える
ましてや年がら年中真夏
「あっ…、うん」
小さく頷いてみせると、その少女はフッと口角を上げ、羽織っていたフードを取る
「あっ…」
思わず見入ってしまった
――――――蒼い瞳
髪は銀色で風になびいているが、おそらく腰まであるそれはサラサラで輝いていた
次の瞬間には彼女の姿は無かった
まるで夢だったような感覚に
レンは瞼をこする
勿論そこには何も無い
「ってか、葉っぱの先に止まってた………」
振り返ると呟かれた言葉
―――そう
レンが座っていた枝が木の最上階に当たる部分
それ以上は足場という枝が無かったのだ
だが、あの少女はそれよりも上の枝に留まっていた
最初のコメントを投稿しよう!