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「………こちらへ」
村長が今度は登場してきた扉の奥の人物を手まねく
「………あっ」
レンは声を漏らす
その人物の登場で騒然とし始めた会場に、レンの声は掻き消され、サリファ達に届くことは無かった
そのかわり、サリファ達は見入っていた
―――あの蒼い瞳に
―――あの銀髪に
―――そして、幼さに
「………静かに」
村長の威厳のある声に会場は静かになった
所々からはヒソヒソ声が聞こえる
「あの…お名前は………」
村長までもがその存在に口ごもる
「名など無い。私は仕事の為に来た」
透き通る凛とした声
キッパリと言い切った彼女に
誰も口を開く事は無かった
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